男性看護師をサポートする団体もある

男性看護師をサポートする団体もある

男性看護師の割合が年々高まってきていることもあり、都道府県や各地の病院で男性看護師同士の交流や情報交換を図る会が発足しています。そこではどのようなことを行っているのでしょうか。男性看護師を支える団体の全容を紐解いていきましょう。

「全国男性看護師会」

男性看護師を支える団体として一番有名なのが「全国男性看護師会」です。2014年4月に三重男性看護師会を母体として設立した全国男性看護師会は、当初は会員が5名しかいませんでした。それが今では140名以上と発足当時よりもかなり増えています。
全国男性看護師会の主な活動内容は、「男性看護師のサポート」「看護師を目指している男子学生の支援」「男性看護師や看護師を目指す男子学生に関する研究」「会員同士の交流」の4つです。これまでに開催してきたのは、男子高校生や男子看護学生を対象としたサマーキャンプやトークセッション、男性看護師を中心としたシンポジウムやワークショップなどです。

設立のきっかけ

全国男性看護師会の代表である前田さんは看護師経験15年のベテラン男性看護師です。臨床経験はもちろん、教育にも10年ほど携わっていたため、男性看護師の実態や置かれている状況を正確に把握していました。前田さんが男性看護師会を設立したきっかけは、看護師として働いていた時に悩んでいたことを解決したい、との思いでした。
前田さんは家族の入院がきっかけで医療の分野に興味を持ち、患者さんと一番近くで接する看護師を目指しました。前田さんが特に興味があった分野は小児医療でしたが、看護師としてのキャリアをスタートさせた時、小児病棟に男性看護師はいなかったため、「患者さんに受け入れられるのか」「臨床でどう見られるのか」「長く働き続けられるのか」と不安ばかり抱えていたそうです。また、前田さんが勤務するまで女性看護師しかいなかったため、トイレや仮眠室といったハード面の整備も不十分でした。今は男性看護師が認知されてきて世間に浸透しつつあるため、環境はずいぶんと改善されていますが、悩みがまったくなくなったわけではありません。そのため、男性看護師会は「男性看護師の心の支え」として大きな役割を担っています。
全国男性看護師会が発足してから「こういう会を待っていた」という声が多く寄せられているそうです。発足してまだ6年しか経っていませんが、地域の垣根を越えて交流ができるようになりました。今では男性看護師の悩みだけではなく、女性の看護部長など管理職に就いている人たちから男性看護師に関する相談を受けることも多くなっています。

各地域の男性看護師会

メディアに取り上げられる機会が多い全国男性看護師会にスポットが当たっていますが、男性看護師会を独自に発足している地域や病院も少なくありません。
筑波学園病院の看護部では、「メンズ会」と称した男性看護師の親睦を目的とした男性看護師会を年に2回開催しています。

2013年に発足した札幌医科大学附属病院の男性看護師会は男性看護師の増加に伴い、職場環境の改善や看護師としての成長を促すことを目標として設置された男性看護師会です。

男性看護師の働き方のコツをご紹介